皆さん、こんにちは。
オブジェクティフ・サイエンス・インターナショナル代表のトマ・エグリです。
私は、スイス南西部で生まれ、幼少の頃からスイスの国境にほど近いフランスの田舎で育ちました。そこで、毎日のように川のそばにある木に登って家を建てたり、紙で町を作ったり、山の中で岩を割って化石を探したり、天体望遠鏡で月や木星や土星やいろんな星を観察したり、小さな虫や動物がみんなで棲めるような場所を作ったりして過ごしました。
身の回りにあるもの、目に映るもの全てが不思議でおもしろくて、図鑑や事典を何度も何度も読み返しては森や川に出かけていたのを、昨日のことのように覚えています。
17際のときに、知人の運営していた科学キャンプでカヌーのインストラクターをしたことがきっかけで作った科学クラブが、今こうして世界のいろんな場所で研究プロジェクトに基づいた科学キャンプを行う組織に成長しました。
この20年、科学キャンプをより実りあるものにし、たくさんの人に参加してもらえるように、研究滞在施設を管理したり科学や教育の方法についてまとめたり、できることはどんな小さなことも実践してきました。そんな中でいつも一番大切にしているのは、私の原動力でもある全ての自然への情熱と、素晴らしい未来への強い希望です。そして、キャンプで出会う様々な背景の子どもたちにも、私と同じ、ひとつの共通点があるのです。「地球が好き」という共通点が。
OSIの野心的な科学教育プロジェクトは、日々目覚ましい成果をあげています。科学に必要な知識や技術はもちろん、環境への責任ある接し方や平和への関心、自然への敬意、集団生活など、子どもたちはキャンプの全期間を通して多岐に渡る物事を身につけていきます。キャンプに参加した子どもがうちに帰ってきたときに、子どもの変化に気づき、驚いて、OSIの事務局に連絡を下さるご家族も少なくありません。
こうして築いたOSIと皆さんとの信頼関係が、継続的に素晴らしい科学キャンプを提供するための糧となり、私たち自身の意欲にもつながっています。
これから新しく参加される皆さんにも、最高の科学キャンプを満喫してもらえるように、これからもずっと活動していけることを願っています。そして、多様な研究プロジェクトを通して、皆さんと一緒に、人と自然が共に暮らせる環境作りにますます貢献していきたいと思います。
それでは、次のキャンプで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
2012年10月吉日
Thomas EGLI